● 倉庫業の社会的な役割
倉庫には、大きく分けて自家用倉庫、営業倉庫、農業倉庫、協同組合倉庫の4つがあります。倉庫業でいう倉庫とは、営業倉庫のことで、倉庫業法にのっとり、登録を行った倉庫会社がお客様から品物を預かり保管するための倉庫をいいます。倉庫業の本質は保管業務にありますので、倉庫業は保管業務を通じて次のような社会的な役割を担っています。
物流拠点としての役割
輸送モードの結節点
船舶等を利用して大量に輸送されてきた貨物をトラックなどの陸上輸送に積み替える場合、倉庫を拠点として行われることが多くみられます。物流における各輸送モードの結節点として倉庫は不可欠です。
貯蔵機能としての役割
需要と供給の時間的なズレを調整
商品を倉庫で保管することで需要と供給との時間的なズレを調整しています。商品が必要となる時期まで品質を維持して商品を保管します。
商品売買を補助する役割
倉庫証券による取引
倉庫証券発行許可を得ている倉庫会社では、求めに応じて保管中の商品に対し倉庫証券を発行します。これにより商品の所有者は商品を移動させることなく売買できます。また、証券を担保に融資を講ずることもできます。
市場価格の安定を図る役割
需要と供給のバランスを保ち
市場価格の安定を図る
大量に生産、または輸入された商品を倉庫で保管することで需要と市場への供給のバランスを保ち、市場価格の安定が図られます。
このように倉庫業は保管業務を中心に現代社会において、重要な社会インフラとしての役割を担っています。そして、倉庫業は、私たちの生活基盤を支える公共性の高い事業といえるのです。